「有頂天家族」3部は有頂“天狗”家族に?イベントで50分間の朗読劇やライブ披露
久米田康治がキャラクター原案を務めるアニメ「有頂天家族2」のイベント「大有頂天祭’17」が、去る10月15日に東京・片柳アリーナにて開催。コミックナタリーでは昼の部の様子をレポートする。
中原麻衣演じる矢四郎の開演前のアナウンスが会場に響いた後、milktubのパフォーマンスによりスタートした同イベント。アニメの映像をバックに、「成るがまま騒ぐまま」「有頂天人生」という、アニメ第1、2期のオープニング曲を披露し、開幕から会場を盛り上げた。
その後は、浴衣に身を包んだ矢三郎役の櫻井孝宏、矢一郎役の諏訪部順一、矢二郎役の吉野裕行、矢四郎役の中原麻衣、弁天役の能登麻美子、二代目役の間島淳司、赤玉先生役の梅津秀行、淀川教授役の樋口武彦が次々と登場し、朗読劇「毛取物語」を披露。約50分間に及ぶ朗読劇は、原作者の森見登美彦監修によるオリジナルストーリーで、焼き芋を楽しむ下鴨四兄弟の和やかな場面から始まる。月の都の人間であるため、「次の満月の夜には月へ帰らなければならない」と突然言い出した弁天に対し、「結婚すれば月に帰らなくても済むのでは?」「古きよき京都の伝統に則り、求婚者に試練を課してはいかがでしょう」と矢三郎が提案したことから、彼により集められた5人の求婚者が試練に挑むエピソードが描かれた。
朗読劇が終わると、8名のキャストに加え、原作者の森見、アニメで監督を務めた吉原正行、プロデューサーの堀川憲司の3名がステージに登壇し、「大毛玉談義」と題したトークコーナーを展開。“裏話”をテーマにしたトークでは、「有頂天家族2」より登場した新キャラクター・天満屋の容姿について、吉原監督が「原作を読んだときにシルエットについての記載があったんですが、僕はなぜかエスパー伊東さんを思い出して。久米田さんにはそのイメージで発注して、肉襦袢を着せることになりました」とエピソードが披露される。
また堀川プロデューサーからは、全3部作と謳われている「有頂天家族」のアニメ化は、すべてP.A.WORKSで行いたいという熱い思いが語られる。森見は「(第3部では)最終的にこういうことが起こるんじゃないかというイメージはできている」と構想を述べながら、「アニメで第2部を見てひしひしと感じたのは、弁天がかわいそうだと。第3部はどうやって弁天が復活していくのか、というところは大事だと思っています」と述懐。「今まではたぬきたちの争いに天狗たちがちょっかいを出していく感じだったんですが、第3部は天狗の代替わりのお話になるのではないかと」と今後は天狗たちにスポットが当たることを示唆すると、梅津は「『有頂“天狗”家族』になる?」とコメントし、会場を笑わせた。
トークコーナーの後はfhanaが登場し、バンドにとってデビュー曲であり「有頂天家族」のエンディング曲でもある「ケセラセラ」と、「有頂天家族2」のエンディングを飾った「ムーンリバー」を続けて披露。改めてステージに上がったmilktubとともに、「有頂天家族」という作品への思いを語り合った。
最後に集った出演者からはひと言ずつ、ファンへメッセージが贈られる。櫻井はこれまでに行われた「有頂天家族」のイベントを振り返りながら、「たくさんの思い出があるんですが、そこには皆さんの力がたくさん働いていて、その力があって今ここにいるなと改めて実感させていただきました。またお会い出来たら本当にうれしいです」と挨拶。森見は「僕にとっても『有頂天家族』という小説は大事な作品」と語りながら、第3部について「ちょっと時間はかかると思いますが、第1部と第2部を読み直していただいたり、Blu-ray BOXを観直していただいたり、有意義に時間を使っていただければ」と語り、客席を笑顔にする。イベントは恒例となった「面白きことはー」「良きことなり!」の掛け合いで幕を閉じた。
なおイベントでは2018年1月9日より、BSフジにて毎週火曜24時から「有頂天家族2」が放送されることも発表された。
※fhanaのhとnの間のaはアキュートアクセント付きが正式表記。